日誌

「創立90周年記念事業」について

 10月27日(土)、多くのご来賓の方々のご臨席を賜り、本校創立90周年記念式典が挙行されました。

 今回の創立90周年記念事業につきましては、2年前に実行委員会を立ち上げ、齋藤マサ子会長様を始めとして本校同窓会の皆様方、田部信浩会長様を始めとして本校PTAの皆様方、そして、地域社会と関係の皆様方の多大なるご支援とご協力により、実施することができました。関係する全ての皆様方に、厚く御礼申し上げます。

 当日は、あいにくの雨模様ではありましたが、式典が始まる前から、PTAと同窓会の皆様方、そして本校の生徒たちに、駐車場や受付・接待等の各係で大変お世話になりました。皆様、ありがとうございました。

 また、本校の先生方にも、総務部長の田中隆史先生を中心として、長期間にわたる企画・準備等で大変お世話になりました。当日を迎えるまで、先生方や実行委員の皆様方の顔ぶれは少々変わりましたが、90周年に対する思いと共に業務を引き継いでいただき、無事、記念事業を実施することができました。本当に、ありがとうございました。

 創立90周年記念誌は、記念誌係の平野 勝先生を中心に編纂作業をしていたただきましたが、表紙の絵は、美術の寳保智加先生が描いてくれたものです。新旧両方の校舎を背景に、本校のシンボル「プラタナス」と、地元喜多方に群生する「ひめさゆり」が描かれています。

 

 また、式典当日、会場に飾られていた素晴らしいお花を始めとして、校舎内のあちこちに彩りを与えてくれていたお花は全て、家庭科の石田美紀先生の手によって活けられたお花でした。

 各係の生徒たちは、いつものように自ら積極的に仕事を引き受け、大変よく仕事にあたってくれました。また、式典・記念講演での生徒たちの態度も、立派であったと思います。永井 葵さん(3の2)による「生徒代表のことば」も、大変立派で力強いものでした。ご来賓の方々からは、「生徒の皆さんは、とても立派でしたね」と、お褒めの言葉をたくさんいただきました。

 記念講演は、喜多方女子高校6回卒の鈴木政子様に、「ペンを握って50年」という演題でお話をしていただきました。鈴木政子さんは、平成27年に著した「『舎監』先生~集団就職の少女たちと私~」(本の泉社)という著書により、「出版フォーラム優秀賞」を受賞されました。

 また、平成29年には、「語らなかった女たち~引揚者・70年の歩み~」(本の泉社)という本を出版され、今年の8月15日(水)の終戦記念日に、TBSテレビ「NEWS 23」の「綾瀬はるか戦争を聞く」という企画で、その本の内容について、女優の綾瀬はるかさんとの対談が様子が放映されました。

  鈴木政子さんは、小学生の時に一家で満州に渡られ、その後太平洋戦争が終戦となり、一家で満州からの引き揚げをご経験されました。そしてその際に、大変辛いご体験をされました。鈴木さんは、以前、「あの日夕焼け」(立風書房)と「満州そして私の無言の旅」(立風書房)という本を出版され、その中に、満州からの引き揚げ時のご体験を詳しく書かれています。

 初めてお会いした鈴木政子さんは、にこやかでいつも笑みを絶やさず、ユーモアがあり、とても素敵なお人柄でした。戦争体験を始めとして、本当にご苦労された方というのは、このように穏やかで、そして物腰柔らかなのであろうと思いました。

 鈴木さんは、ご講演で、ご自分のこれまでの歴史を振り返りながら、「書く」ということにこだわってきた半生について、お話をしてくださいました。鈴木さんは現在でも、カルチャーセンターの講師などをされながら、「書く」ことについて、人に教えているそうです。

 鈴木さんはびっくりするぐらい、とても若々しい方でした。人というのは、使命感、あるいは生きがいを持って日々生活をしていると、心身共に、いつまでも若くいることができるのだなと思いました。

 本校の同窓生に、鈴木さんのような素晴らしい方がいらっしゃるということは、本校生にとって大きな励みであると思います。鈴木政子様、大変貴重なお話、ありがとうございました。どうかいつまでも、お元気でいらしてください。

 鈴木さんには、色紙を書いていただきましたが、本校生への、素敵なメッセージが書かれています。校長室前の廊下に飾ってありますので、皆さんどうぞご覧ください。